76[教員コメント]暗い地下室から地上への入り口が見える。真っ暗の中で木目が不気味な色で表されているが、恐怖感のあるゲームの冒険を楽しんでいるようなイメージが伝わってくる。右上の光と右下の暗闇のグラデーションは明暗を使って気持ちの変化を表しているところが評価できる。[教員コメント]猫が箱に入る瞬間の激しさを表している。過剰で大袈裟なスピードに見えるが、猫が興奮して移動する時の勢いをコミカルに表現できている。右下の形によって、もう一匹いることが想像される。猫にとっては入り口に見えたかもしれないが、その先にある何かを想像させる表現が評価できる。[教員コメント]右下の人物がふとんに入っていることが目に入ると、白い物体はドアを開けて人物を元気よく起こす誰かの象徴だと気が付く。絡みつく柔らかさは、疎ましくも思いつつ、優しさを感じとる人物の気持ちが表現されている。夢と現実が混じり合っている時間のまどろみを、抽象的に実現していることが評価できる。[教員コメント]色合いやテクスチャによって、不安定な心情が伝わってくる。入り口はポジティブなものばかりではない。入り口が示された時に、安心して入るよりも、不安や疑いを持ってドアを開く瞬間も少なくはない。具体的な入り口を描いているにもかかわらず、そのような心象風景が見えてくる表現力を評価した。
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