Departrama, D i,ment of Scenography DesandDancegn 撮影する場合があります。2. 課題についての事前質問にはお答えできません。 試験官が口頭で指示するものとする。② 表現するより以前に、各自の身体への興味や身体の実感について見ています。音楽に対しての感受性もポイントとなります。身体の動きの中から現れる美意識や、ダイナミズムを期待しています。そして自分自身の身体を取り巻く環境を新鮮に体験できる素質があるのかが評価の重要な点です。自己の身体で実践を試みる冒険への意欲を重要視します。経験の有無は問いません。先入観のない素直な身体の姿勢を期待します。― 野田秀樹『彗星の使者』より抜粋― 宮沢賢治『よだかの星』より抜粋― 野田秀樹『宇宙蒸発』より抜粋演劇舞踊デザイン学科 演劇舞踊コース90試験場において配布した課題 [2]雨が掘ります。雨が掘る。何をシアンの雨が掘る。面めん通とおし願えるような身分にあらぬ身共にとって、突然のお便り、心底いたみいる次第です。どうして? という貴き下かの御質問、確かにうけたまわりそうろう。青き地球の、いまだ亀の甲羅の上にありし、いにしえより、袖まくりをしてめぐりくる三十億年、歴史の午後、伝説の黄たそ昏がれにひとたびたりとも休まず穴をうがちつづけた雨のしずくの、ぽったん、のみをひとふりふるたびに、なんだか早くひとのふりができるようになれる、そんな気がして、のみをひとふりひんがし掘れども、ゆくえも知らず、のみをひとふり西を掘れども、せんかたなくて、のみをひとふり北を掘れども、のみをひとふり南を掘れども、ほれども、ほれども「どうして?」青き地球の、かくも掘れるものかと見えるほどに、「どうして?」いまだ、お返しにあがるにいたりませぬ身のいたずらに、ともすれば三十億年もたっていそうな恩おん讐しゅうの彼方、なれどいつの日か、いずこと知れぬ恩讐の彼方、必ずや光が射し込むところ、いつか「どうして?」お返しにあがりに参上つかまつりそうろう。それまで、何なに卒とぞ、とんだ野郎、御自愛下さいませ。一いっ筆ぴつ啓けい上じょう、 火の用心、僕は七十六年前の君。 試験場において配布した課題 [3]「強き者、そはひとりなる時が一番強し」そういうと、テルさんは、弓をひきました。ひきながら、いつまでもりんごと勇気について考えました。富士、スターキング、紅玉、デリシャス、りんごについてはまとまりました。けれど勇気がまとまりません。一体、この勇気がひいた弓の先にあるものはなんだろう? わが子ではないか自分のつくりたまいし動物に弓を放ち、手がすべったところでイタイ! と声を出すのはテルさんではない。テルさんは、ちいっともいたくない。そうテルさん思いつつ、頭の上にあるあのりんごは、スターキングか紅玉か、はたまた富士かデリシャスか、不きんしんなりんごへのイブな思いが勇気から離れてくれません。ああダメだ、りんごと勇気は共存しない、そう気がついた時すでに遅し、ヴィーナスの貝殻、五月のエメラルド、なべてあらゆる閉じた鍋蓋、弦つるを握る右手はグーからパーへ、南な無む大だい明みょう神じん那な須すの与よ一いち大だい権ごん現げん、ハッシ、と閉じた瞳の中にも、りんごのほっぺが浮かぶのだ! [採点基準]・理解力= 身体に対する要求に対して実感を伴って理解できるか素直に言葉を受け取ることができるか・意欲性=身体に対する要求に積極的に取り組んでいけるか・独創性=身体を使っていかに意識的かつ独自的な表現ができるか・観察力=運動の持続の中で変化する身体を感じ取れるか・身体認識=表現以前に身体の細やかな感受性に注意を払うことができるか一般選抜 | 専門試験身体表現 [3時間][出題のねらい]① 基礎的な運動能力、柔軟性、瞬発力、バランス感覚、身体をコントロールする能力があるかどうかを見ます。そして戯曲作品の台詞を表現してもらうことによって発声が安定しているか、空間を意識して声がしっかり出ているかを確認します。また同時に台詞へのアプローチの独創性、表現の豊かさ、他者への台詞の対応を見ました。その際は受験生一人一人に応じて設定を変えて表現してもらうので表現の幅が求められます。これまでの経験にとらわれず試験官や他者、空間から求められるものに柔軟に対応することが重要です。著作権保護のため掲載を控えております著作権保護のため掲載を控えております2022年2月10日(木)実施問題 | 与えられた課題について、身体で表現しなさい。条件 | 課題は試験場において、 注意 | 1. 試験中に記録映像(写真など)を 試験場において配布した課題 [1]ある夕方、とうとう、鷹がよだかのうちへやって参りました。「おい。居るかい。まだお前は名前をかえないのか。ずいぶんお前も恥はじ知らずだな。お前とおれでは、よっぽど人格がちがうんだよ。たとえばおれは、青いそらをどこまででも飛んで行く。おまえは、曇くもってうすぐらい日か、夜でなくちゃ、出て来ない。それから、おれのくちばしやつめを見ろ。そして、よくお前のとくらべて見るがいい。」「鷹さん。それはあんまり無理です。私の名前は私が勝手につけたのではありません。神さまから下さったのです。」「いいや。おれの名なら、神さまから貰もらったのだと云いってもよかろうが、 お前のは、云わば、おれと夜と、両方から借りてあるんだ。さあ返せ。」「鷹さん。それは無理です。」「無理じゃない。おれがいい名を教えてやろう。市いち蔵ぞうというんだ。市蔵とな。いい名だろう。そこで、名前を変えるには、改名の披ひ露ろうというものをしないといけない。いいか。それはな、首へ市蔵と書いたふだをぶらさげて、私は以来市蔵と申しますと、口こう上じょうを云って、みんなの所をおじぎしてまわるのだ。」「そんなことはとても出来ません。」「いいや。出来る。そうしろ。もしあさっての朝までに、お前がそうしなかったら、もうすぐ、つかみ殺すぞ。つかみ殺してしまうから、そう思え。おれはあさっての朝早く、鳥のうちを一軒けんずつまわって、お前が来たかどうかを聞いてあるく。一軒でも来なかったという家があったら、もう貴様もその時がおしまいだぞ。」「だってそれはあんまり無理じゃありませんか。そんなことをする位なら、私はもう死んだ方がましです。今すぐ殺して下さい。」「まあ、よく、あとで考えてごらん。市蔵なんてそんなにわるい名じゃないよ。」鷹は大きなはねを一杯いっぱいにひろげて、自分の巣すの方へ飛んで帰って行きました。
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