入試問題集2023|多摩美術大学
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98[教員コメント]鉛筆を落とす様子が、軽妙に描かれていて、構図もよく考えられている。落とした鉛筆の躍動感が表現されていれば、更に良くなったであろう。手首が曲がるときに現れる母指球の皺が観察され描かれていることにより、手の表現に緊張感がある。想定デッサンであっても、モチーフの観察とその表現により、デッサンの完成度が高くなる。[教員コメント]スポットライトを背景にした、大胆な画面構成が記憶に残る解答。左右の手のバランスも良く配置されている。せっかく光の方向を設定しているのだから、手の陰影を明確に描ければ抑揚が出て更に良くなっただろう。手の皮膚の質感も、特に画面手前の左手の甲の部分を丁寧に描ければ、奥行き感を出せた。もう一歩描き進められれば高い評価を与えられた。[教員コメント]鉛筆を投げ飛ばす情景、その行動によって形作られる指の形が、新鮮な目線で描かれていて面白い。しかし、指の骨格や観察は不正確で、観察眼を養ってほしい。また、飛んでいる鉛筆も、スピード感や躍動感が描かれていれば、更に迫力が増したであろう。しかし、それらを超える発想力を評価した作品。[教員コメント]採点者も驚きの声をあげたような、少しホラーっぽい作風だが、全解答の中で最も気になるインパクトのある解答。鉛筆の持ち方が、目を突き刺している様に見えるので、絵を描く持ち方になり、描く場所を真ん中からずらせば、ホラー感が少なくなるだろう。が強烈な個性を感じるので、そこは狙いがあってこの構図にしたのか。

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