135[教員コメント]トイレという場が持つ特異性とは、外界を遮断し自己没入できる所にある。故にそのような場を絵にしようとした時、その図像は観念的な物語になりがちである。しかしこの絵からは、トイレによる観念的な意味を切断し、ただそこにある世界を直観的に描いているように感じる。表現はそこからしか始まらない。 [教員コメント]ぼんやりと霞んだ空間にうっすらと白い台と幾何形体が見えてくる。作者と対象が隔たり向かい合う間を満たしているものとは一体何なのだろうか。そんな疑問に応えようとして制作されたように思える。目には見えない距離や空間を実制作として捉え表現する意欲的な作品で、今後の展開が楽しみになってくる。 [教員コメント]気持ちのこもった描写にとても惹きつけられた。自分自身を正直に描こうという思いが、どっしりと塗られた絵具から伝わってきた。穴から顔が覗くインパクトのある構図と、奥の人物を中心から少しずらした配置は良く構成されており、奥と手前を補色に塗り分けてコントラストをつけている点も素晴らしい。 (文責=栗原一成教授)(文責=木嶋正吾教授)(文責=日野之彦教授)
元のページ ../index.html#137