14[教員コメント]擬人化された場面は何かの物語でもあるようで見る楽しさが生まれている。淡い塗りではあるが紐の緊張、缶と軍手の描き分けと画面を動かすことに成功している。デッサンは水に映る自画像が虚像となり二重の世界を描いている。人物の目がこちら側を覗くことで逆にこちらが覗き込まれるような面白さがあり魅力的な作品になっている。[教員コメント]極めて冷静で、着実な描写力を感じるデッサンと着彩である。人物のデッサンは、骨格がしっかりと把握されており、安心感がある。人物を取り囲むバックの表現も画用紙の白をうまく取り込み、空間や光の表現となっており、作者の実力を感じる。静逸な空気感があり、好ましい。静物着彩は、一つ一つのモチーフに誠実に向き合い、プロポーション、底面、質感、色彩など、基本的なところはしっかりとおさえられ、全体に爽やかな印象を受ける秀作である。
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