入試問題集2023|多摩美術大学
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34[教員コメント]「企業倒産状況」の記事をテーマとした立体造形は、満たされた継ぎはぎの袋からボロボロと瓦礫のようなものがこぼれ出しており、その頭上からは螺旋状の杭が刺さっているという構図である。見る側の想像力を掻き立てるようなストーリー性のある造形となっている。継ぎはぎ部分の糸の表現がネガポジ逆転してしまった甘さと、布が張っているという表現を粘土で造形しきれなかったのは残念である。デッサンにおいては立体造形のような自由な発想は感じられず、やや凡庸な表現となってしまった。[教員コメント]差し出された掌に陰のように寄り添う人影。選ばれたテーマ(新聞記事)は「自死した子の親たち」というタイトルで子を亡くした親たちの会の記事である。大変重いテーマであるが、多くを語らず地面から静かに、そして優しく差し伸べられた手と人影をシンプルに対比的させたことで、いっそう見る者の感性に問いかけてくる力が感じられる。[教員コメント]立体造形と比較すると一見、テーマに対する接近に乏しいように感じられるが、画面下部、胸部のフェードアウトが視点を敢えてずらされたような、行き場の無い感覚を覚える。立体造形と同様にテーマに対する説明的な表現を避け、マスクと静かに一点を見つめる憂いを帯びた瞳が印象的である。

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