入試問題集2024|多摩美術大学
100/172

98[教員コメント]画面いっぱいに、大きく描かれた手は迫力があって目立つ。採点会場に全てのデッサンを並べた時に最もインパクトがあった解答。その勢いで高評価になった。これに、緻密な描写力が加われば、怖いものはない。柔らかさと硬さの描き分け、特にセロハンテープの巻かれた部分がキリッとするだけでも印象が違う。[教員コメント]セロハンテープが貼られた線の上を歩いているような指がユーモラスな解答。親指や母指球のふっくらした柔らかさがよく描かれているが、人差指と中指をもう少し丁寧に描けば、更に高評価になった。光の当たる側は、手の境界を輪郭線で描いてしまうと奥行きの丸みが無くなってしまうので注意すること。[教員コメント]縦位置を効果的に使った構図がいい。手の柔らかさと、セロハンテープの直線的な硬さの描き分けでよりお互いの質感を際立たせている。手の親指の関節の皺と爪周りを鮮明に描き、奥の指をフワッと描いている事で、奥行きや空気感を感じる。テープが手前と奥の2箇所で切れているが、手前だけの方が良かった。[教員コメント]画面を真っ二つに対角線で切る構図が清々しい程。半時計方向に回すと安定構図になるが、敢えてそうしないほうが若々しくていい。手の骨格も良く描かれている。しかし、全体的に陰影が乏しく、平坦になってしまったのが残念。光の方向性を決めて、陰影を極端に描いてもドラマチックになって効果的。

元のページ  ../index.html#100

このブックを見る