15[教員コメント]鉛筆デッサンと水彩では、微風がそよぎ、風景が息づいているかのように表現される。対象を写実的に描くのみではなく、物語を感じさせる印象が残る。鉛筆デッサンはモチーフに囲まれた中心の空間にスポットライトを当て、モチーフの鰹節の軽やかな動きが描写されることで、まるで舞台で踊る表現者と鑑賞者の物語のような雰囲気が漂う。一方、水彩の人物の顔は少し上を向いて描かれ、誠実な視線の先に何かを見つめているかのようであり、非常に魅力的で優れた作品と言えるでしょう。[教員コメント]着彩、鉛筆デッサン共に、モチーフを大きく捉えた大胆な画面構成。説明に走る事なく、描きたいものを強調し、力強く堂々と描くことに成功している。鉛筆デッサンの濃淡の階調や、描写にやや甘さがあるものの、人物着彩の肌の色の選び方や、平筆の筆致を生かした表現は心地よい。伸び代を感じさせる秀作である。
元のページ ../index.html#17