入試問題集2024|多摩美術大学
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18[教員コメント]デッサンはややぎこちなく、木炭や人物描写に不慣れな様子は見受けられるが、モデルと正面から向き合おうという心意気が感じられる。特筆すべきは油彩である。「入れもの」という出題に対して、なんの趣向も凝らさず手元にある画材の入った「入れもの」を描いただけの作品であるが、こんなにも美しく魅力的な絵画となるのはなぜだろう。よく見ると、基調の白の中に、牛乳パックや絵皿の青を際立たせるために、絵の具のチューブの色味を抑えるなどの工夫が隠されている。さらに牛乳パックの絵柄や一つ一つの絵の具のチューブの文字などの表現にも細やかに神経が配られており、なにごとにも手を抜くことなく全力で取り組むという姿勢が感じられる。 [教員コメント]抽象のようでいて、その細部に目をやると、箱状のものであることがわかる。まるで鳥の視線から「入れもの」としての建築物をおもい切った色面として描いたもののようだ。絵の具の伸びやかさや、色と色がおり重なる細部への意識、そして配置させた色が空間に広がりとリズムを作っている。デッサンにおいても、ヴォリューム感ある肢体や衣服の質感、そして表情が、全体を統一する筆跡のやわらかい、しかし同時に緊張感ある筆跡とともにしっかりと描かれている。 (文責=吉澤美香教授)(文責=石田尚志教授)

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