入試問題集2024｜多摩美術大学

40/172

38［教員コメント］金属トレーと鍬がシャープに描けているので、絵としての魅力で目を引く。それは各モチーフの形態と質感が大きな破綻がなく描けているからだろう。ただし、モチーフが同じ台に置かれている安定感の説明が弱い。布の重なりに置かれたトレーは水平でなくなるので絵が不安定に見える。難しい選択をした。［教員コメント］無駄のないタッチで簡潔に描ききられた、作者の習熟と技量を感じさせる一枚。縦構図に上下左右に視線を動かすような画面構成が豊かな空間を産んでいる。丁寧に処理された各モチーフの際がさらにこの空間性を高めている。台の面のタッチがやや荒いのが残念だが、背景までも美しく感じさせる秀作である。［教員コメント］全体の奥行きがうまく表現され、丁寧な描写を心がけていて好意的な印象を持つ作品です。全体的にコントラストが鈍く、大根がやや暗い印象になってしまっていますが、それぞれのモチーフの形や質感の捉え方、また全体の奥行きを含めた構図は大変よく描けています。［教員コメント］力強い鉛筆のタッチが画面全体を引き締めている。配置のバランスが良く、視線が自然と導かれて心地よく鑑賞できる。概ねモチーフの形態が捉えられ、台に設置している様子も違和感なく描けてはいるが、さらにそれぞれの質感や、手前と奥を描き分けることで臨場感や空気をもたらす事もできただろう。