70[教員コメント]この作品にとって重要なのは「流れ」を意識している点であるだろう。そもそも社会に生きるということは「流れ」であるし、情報ネットワーク時代はそれがさらに加速した。そういう意味で身体における心臓の役割は象徴的である。作者はその状況で流れを遮断することの困難さを示そうとしている。[教員コメント]孤独を守りつつ、自己を輝かせる隠し味をもっているという二重性が、ポップな色使いでうまく表現されている。「ヒ・ミ・ツ」というジェスチャーが、あたかも複数の味=色で出来上がっているかのような構図も面白い。個性的な色彩表現も含めて、課題によく応えている。[教員コメント]内外が窓により表されている。外側では無自覚に変容していく人々の思いや流動的な社会の様相が抽象化されたイメージで描かれている。室内では捉えどころがない表情を浮かべる人物たちのスマホから窓の外に広がる世界へ情報が共有されている。人物自体も溶けるように外に取り込まれている。繋がることで逆に希薄となる自分の存在や孤独がカリカチュアとして描かれた良作。[教員コメント]多くの人が、生成AIに抱く素朴な恐怖を、ストレートに表現した作品だ。シリアスでありながらコミカル。全体の構成や色使い、不安げな表情や、カラフルな手の表現が、とても洗練されている。紙に描かれたイラストやベレー帽などが、なぜか昭和の時代を感じさせる。周りに流されて生きる私には、心の裡を見つめる時間が必要だ自分らしさという唯一無二の孤独を守り輝かせる隠し味は秘密だAIにコピーを作られ僕の価値は無くなる私は何も隠していない。共有への依存が私を孤独にさせ私を隠すこの絵を外に出したら
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