第6回東京国際ミニプリント・トリエンナーレ2018によせて 1995年の創立60周年を記念して始まった本トリエンナーレも、第6回目の実施を迎えることとなりました。創立80周年を記念しての第5回からのインターネット等による世界に向けての一般公募と応募に加え、今回からはデジタルプリントによる作品も参加可能となり、94ヵ国・地域から2000点近くの版画作品の応募がありました。その中から作品画像による第1次審査と実作品による第2次審査を経た324点を一堂に展示いたします。 第1回の1995年から23年の時を経て、20世紀末の激しい社会変動や世界情勢の変化は21世紀に入ってからも影響し続けており、その中にあって、芸術の位置づけや可能性についても、様々な変化や展開が求められています。そうした状況は、本トリエンナーレにおける、応募や参加者の作品表現の変化や世代交代といった面にも現れて来ており、各国・地域の特性に加え、時代変化による新しい国際感覚につながる融合と創出が生まれてくる可能性を大いに感じ取ります。 これらは版画という分野がもつ作品世界の魅力をインターネットによる公募と応募、郵送による作品の流通という、新旧の技術や社会システムの併用と、それらを活用させる様々な新しい取り組みや工夫が盛り込まれることで、新しい芸術表現の創出と拡大を促すと共に、芸術と世界への見方を変化させていく起動力となることを期待します。 そして何よりも、このトリエンナーレへの期待を込めて出品している作品の創意、感性に富んだ、ミニプリントという小さな宇宙に散りばめられ、沸々と溢れ出る芸術エネルギーを感じていただければ幸いです。 本トリエンナーレの主旨にご賛同頂き、出品頂きました作家の皆様、開催にあたりご後援、ご協力、ご協賛、ご助成を賜りました諸機関・団体ならびに関係者の皆様に厚くお礼申し上げます。多摩美術大学理事長藤谷 宣人02
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