多摩美術大学アートテークギャラリーは、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため必要な対策を講じてまいります。ご利用の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
◎以下の方はご入場をお控えください
- 37.5度以上の発熱のある方
- 強いだるさや息苦しさがある方
- 風邪のような症状がある方
- 味覚・嗅覚に異常を感じる方
- 身近に新型コロナウイルス感染者(疑いを含む)がいる方
- 過去14日以内に新型コロナウイルス感染者と濃厚接触があった方
- 過去14日以内に感染拡大している地域や国への渡航歴がある方
◎入場の際には下記にご協力ください
- マスクの着用をお願いします(マスクをしていない方は入場をお断りする場合があります)
- ご入場後、30分を目処にご観覧いただけますようお願いいたします
- こまめな手洗い、手の消毒にご協力ください
- 他のご来場者様と一定の距離(2mを目安)を保つようお努めください
- 会話はお控えいただき、静かなご観覧にご協力ください
- ギャラリー内が混み合わないよう、入場制限等をさせていただく場合がございます
◎入場の記録にご協力ください
- 本学学生および教職員→ギャラリー入口のカードリーダーに学生証、職員証を読み取り
- 学外からお越しの方→ギャラリー入口で入場記録用紙に(氏名・連絡先)をご記入ください
◎アートテークギャラリーでの取り組み
- 入口付近に手指の消毒液を配置しています
- ギャラリースタッフは、マスクを着用して対応し、手洗い、消毒液による手指の消毒を励行するとともに、勤務前に検温を実施しております
- ドアノブ、エレベーター、手すりなど、ご来場の皆様が手を触れられる箇所は、アルコール等によるこまめな消毒を行っています
※個人情報は多摩美術大学にて厳重保管し、新型コロナウイルス感染症対策を目的として、保健所等公的機関への情報提供以外の利用はいたしません。また用紙は、1ヶ月保管したのち、破棄いたします。
開催日時
09/08 (Tue) - 09/26 (Sat) 10:00 - 17:00
※日曜休館 ※9/22 休館
アクセス
JR 横浜線・京王相模原線橋本駅の北口から神奈中バスで約 8 分
または、JR 中央線八王子駅の南口から京王バスで約 20 分
多摩美術大学八王子キャンパス アートテーク 1F
「TAMABI Trial Exhibition ANYHOW,」展に寄せて
COVID-19感染拡大の中、本学においても全面閉鎖から前期は始まり、その後一定の条件のもとで徐々にキャンパスを開け、少しずつ本来の姿に戻るために動き始めている。
しかしその間、研究室をそしてアトリエや教場を守り、online授業の準備や運営を担当し、最前線で学生諸君と向き合い続けていたのが、各研究室の助手、副手の皆さんである。まずはそのご尽力に対して、心より感謝を申し上げたい。
そしてこのアートテークギャラリーも約半年間の閉鎖に追い込まれた。しかしアトリエや教場が開かれたとしても、成果物である作品を展示する「場」がなければ、制作は完了しない。アートテークギャラリー、また各学科棟ギャラリーのリスタートの先陣を切るこの展覧会には大きな意味があるのだ。
当初は展覧会の開催も危ぶまれた。それは助手、副手の皆さん自身が、学生諸君が十分な日常を取り戻せずにいる中で展覧会を開催すること、その是非を自問していたからだ。しかしそんな皆さんが、この状況下でも日々制作を続け、展覧会を開催することが、どれだけ制作の喜びと発表することの大切さを学生諸君に身をもって伝えることになるかを考え、展覧会開催の実現に繋がったのである。その勇気と決断にも敬意を表したい。
多摩美術大学各研究室の助手、副手による合同の企画展も3回目を迎えた。
世界を包むこの状況下にあって、美術やデザインの果たす役割とは何であろうか。その答えを出すことは容易ではない。しかしポストコロナの世界は、決してインターネット上だけで成立するのではなく、フィジカルを通じてしか感じられない、いわば体を張った「アート」が必ずや意味を持って、人々に再認識されるはずである。
そして多摩美の一番フレッシュで尖った(われわれ教員の鼻柱を折るような)この展覧会のシリーズが末長く続くことを心から願う。
2020年8月24日
多摩美術大学美術学部長 小泉俊己
三鑰 彩音
Ayane MIKAGI
日本画研究室
以前からテーマは一貫して「装飾性」です。
ここ数年それを表現するうえで、ベゴニアガーデンとの出会いをキッカケにして人物の髪の毛から花へ移行してきました。
この装飾性を表現する上で、歴史的背景からから見ても今日に至るまで、装飾の代名詞ともいえる「花」は私にとって避けては通れないモチーフだったのではないかと思っています。
「花」を「装飾」の代名詞とするならば、私にとって「装飾」は「武装」であり「擬態」です。
自分のコンプレックスと不安から逃れるために飾ることに執着し、必死にしがみついてしまうのです。
擬態するということはそこに二面性を孕んでおり、そのあいだには余白の幅が無限に広がっています。白と黒どちらかだけを見つめて象っていくのではなく、その二色が混じり合って出来る、あいだの果てしないグレーを大切にするためにも、花を描きその工程の中で内面と向き合っているのだと思います。
美夏
mika
プロダクトデザイン研究室
work①
『bubble play』は、バブルアートの魅力を引き出すツールセットです。バブルアートとは、息を吹き込んでできた泡で絵を描く技法のことを指します。泡を吹くことを楽しみ、消えゆく泡の美さを観賞することができるとてもステキなものなのですが、現在専用のツールは存在しません。泡の繊細な移り変わりを際立たせるために、シンプルながらも少し不思議で、魔法をつかっているような吹き姿になるような造形にしました。
work②
『family』は、野草のためのフラワーベースです。やわらかい素材でできており、好きに曲げることができます。ロール状のものを引き出し、カットして使用します。道沿いにゾロゾロ列をなして生える野草を見て、その様相のまま部屋の中に持ち込みたいと思い制作しました。野草のささやかな存在感を生かすために、フラワーベース自体はなるべく簡素なつくりにしています。
英語でfalilyは『群れ』という意味を持っています。こう名付けることで、並んだ野草たちが家族のようにも見えてきます。
白石 覚也
Kakuya Shiraishi
情報デザインコース研究室
《文字と時間と行為のための記録体》は、私が約2年にわたって行なってきたAIとの相互補完的ライブコーディングパフォーマンス《Inclusion》のパフォーマティヴィティのアーカイブデータを用いて作成されたAIを、受け手が間接的に体験することを目的とした作品である。
《Inclusion》とは、私とAIがともにコードを提案し演奏するパフォーマンスであり、オリジナルの音響処理言語によるライブでのタイピング記録などを学習データとして用い、そこから作成したAIとともにライブを重ね、さらにそのライブごとの記録も継ぎ足して学習させることで、両者を進化させ、新たな関係性を模索する作品である。すなわち、このAIは私の創造的行為(意識)そのものをアーカイブ・モジュール化したものと捉えられる。このパフォーマンスにおける、膨大なテクストを元に構築された創造的行為のアーカイブを、作り手とAIの関係の中に留めず、解体し、アートにおける人工知能の新たな在り方として、受け手に呈示するにはどうしたらよいのだろうか。
本作では、受け手が作り手と同様の行為として文字を入力することで、私とAIのナラティブなインタラクションの隙間を覗く。たとえ、入力した文字列が言葉として破綻していても、AIはそれを私の入力として反応し、新たなコードを展開するであろう。それらのテクストの一部をプリントしてアーカイブすることで、受け手に読み解かれることを試みる。