ゆらら

熊谷 楽々

作者によるコメント

紙に鉛筆と色鉛筆で描いた手描きアニメーションである。
テーマは「呼吸」である。
アニメーションの描き方に着目し、1コマごとに描線の違いや細密度の変化をつけることによってアニメーションの画面自体から「呼吸」を感じられる表現を目指した。
この赤ん坊は昼寝をして夢を見ている。人の赤ん坊は、手に指を持っていくと握ったり、水中では泳ぐ動作をするなど、祖先の記憶の名残が見られる。「遺伝子の中には祖先の記憶を持っている」と捉えて、赤ん坊が夢の中で色々なものに出会う。
この夢の中で、私たちの祖先との繋がりやこの地球にいる生き物との繋がりを、「呼吸」という共通の生理現象を通して描いた。

担当教員によるコメント

この作品はiPadなどのデジタルなキャンバスを使わずに一枚(1フレーム)ずつ色鉛筆を使って、紙に描かれた手書きのアニメーションである。その莫大な作業は根気と計画性を必要とする。“呼吸”をテーマに描かれ、寝ている赤ん坊の姿がやがて樹木になり、生命の進化へと繋がっていく演出は見事だ。このアナログな苦労が今後、作者にとって有意義なものになる事を期待している。

教授・原田 大三郎

作品動画

  • 作品名
    ゆらら
  • 作家名
    熊谷 楽々
  • 作品情報
    アニメーション(3分20秒)
    技法・素材:Premiere Pro、Photoshop、Bridge、紙(竹はだGA)、鉛筆、色鉛筆、コンテ
    サイズ:H1080×W1920pixel
  • 学科・専攻・コース