うつくしいひび
土屋 さくら
作者によるコメント
これまで、誰もがかつて持っていた、しかしいつの間にか忘れてしまっていた自由や楽しさを大人たちが取り戻していく話を描いてきた。卒制に取りかかるにあたり、実家の庭に長年放置されていたスケートボードのことを思い出した。父の親族がかつて乗っていたそれは、私が幼い頃から現在に至るまで、誰にも触れられぬまま存在を忘れられていた。まるでそれが思い出の中に置いていかれてしまったうつくしい日々の象徴のように思えそれを題材とした。歳を重ねるにつれ、輝かしい思い出ばかりをうつくしい日々として、あの頃は良かった、と思うことが増えていくのだろう。しかし、少しのきっかけで現在やこれからの未来をうつくしいものすることもできるのではないかと考え、制作に取り組んだ。
担当教員によるコメント
子育てを終えて喪失感に苛まれている女性が主人公のアニメーション作品。作者独特の構図と色彩が心地よい。女性はガーデニングに新たな生きがいを得る。さらにスケートボードの少女達との出会いから主人公の人生が再び輝きを増していく。そんな流れが閉塞化していた夫の人生まで活気あるものに換えていく。タイトルの「美しい日々」とは人々が繋がり、世界の見え方が変わったことで見えてくるものなのだ。物語に不可欠な街、家、庭といった空間とキャラクターデザインが秀抜だ。
教授・佐々木 成明
作品動画
- 作品名うつくしいひび
- 作家名土屋 さくら
- 作品情報映像(12分41秒)
技法・素材(使用素材、ソフトなど):Premiere Pro/After Effects/Clipstudio
サイズ:H1080×W1920pixel - 学科・専攻・コース
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