ユメの亡骸
金澤 洋輝
作者によるコメント
この作品は夢や祈りから生じた希望が死に絶え、そこから悪意や現実といったものから生まれた絶望からまた生まれるであろう、想いの死生観を、竜の亡骸から湧き出る腹に子供を宿した化け物といった形で表現しました。
コロナ禍を始めとした、様々な環境の変化による苦悩や挫折等を、誰かに吐き出したいと制作した作品でもあります。
担当教員によるコメント
どこまでも細かい線は白い紙の上に描き込まれ大地の一部に同化してゆく。遠目で見ると ただ美しい濃淡の景色に見えるのだが、近づいて部分をみると恐ろしい色々な部分が見えて来る。獣、鳥、きのこや骨、内臓、指など人間の一部が森の中に丹念に描き込まれている。まるで現在、パンデミックや戦争に直面している世界の状況を表しているかの様な表現になっている。
彼が描き出す絵画は表面的には単に美しい作品だが、その内面にこそ重要な問いかけが隠されているのだ。
教授・八木 幾朗
- 作品名ユメの亡骸
- 作家名金澤 洋輝
- 作品情報技法・素材:ペン、色鉛筆、鉛筆、ケント紙
サイズ:H1167×W910mm - 学科・専攻・コース
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