サウダーデ

神山 侑子

作者によるコメント

古代壁画や民族の文様を参考にし、私自身の心の中にある、言葉にできない祈りや感情を表現しました。
私たちが生きているこの世界は、光と同じぶん、影が存在していると感じることがあります。光と影は、時に争い、時に引かれ合い、互いが入れ代わったり、溶け合うような存在だと思います。
誰かが笑顔でいる後ろで、誰かが苦しくて泣いているかもしれない。でも、その笑顔や涙の裏に隠された本当の思いや真実を、私は何も知らない。簡単には語れぬ世界。そんな複雑な世界について、思いを巡らせながら描きました。
弱くても、強くても、皆、頑張って生きている。そういうものを表現したかったんだと思います。

担当教員によるコメント

作者はこれまでいくつもの壮大な物語を紡ぎ出し、それを絵画として描き上げるという事を繰り返してきた。美しい色彩のハーモニーに溢れた暖かな世界感は作者の得意とする世界で有る。「古代壁画や民族の文様を参考にし、私自身の心の中にある、言葉にできない祈りや感情を表現しました。」と、作者も語っている。
しかし最近、大きな心境の変化があったのだろうか、「私たちが生きているこの世界は、光と同じぶん、影が存在していると感じることがあります。」と語り始めた。徐々に作品に厚みや深みが増しているようにも感じる。深化の予感を感じている。

教授・岡村 桂三郎

  • 作品名
    サウダーデ
  • 作家名
    神山 侑子
  • 作品情報
    技法・素材:岩絵具、水干絵具、雲肌麻紙
    サイズ:H1940×W2590mm
  • 学科・専攻・コース