南極礼骨堂
田中 嵐
作者によるコメント
海に散骨をしてほしいと祖父は遺言で私に言い残し、祖父の言葉は散骨堂を設計するきっかけとなりました。
太古の自然が現存している南極大陸の海に散骨を行う建築設計。南極の生み出す環境の厳しさが空間によって優しさに変換する建築を理想としました。遺族は海を見るだけで大切な誰かを想い、故人は海流によって世界を巡り、地球を通して想いで人と繋がる。そんな、人と地球を建築が繋げる設計を提案しました。
担当教員によるコメント
南極の雪と氷の世界は、白とグレーの色調や光と影の対比や等日常生活から切り離された神聖な気配が漂う空間である。そこにミニマルデザイン的に作られた散骨に向かう軸線、その軸線を更に向かうと抽象化された光だけの空間や濃紺の海、寒さのためにその記憶すら凍結しいつまでも記憶の中に残り続けるであろう風景、作者はやがて環境の変化・温暖化によりこの施設が水没し消えゆくことまで想定している。大切な人の記憶。人や地球の命、環境にも寄り添いながら静かに魂の救済と環境問題を提起する、建築・空間・時間を織り込んだ力作である。
教授・田淵 諭
作品動画
- 作品名南極礼骨堂
- 作家名田中 嵐
- 作品情報円盤模型、CGパース映像、プレゼンボード
素材・技法:ポリカプラダン+塩、ベニア板+染料
サイズ:φ1200×100mm、φ600×60mm、φ400×60mm - 学科・専攻・コース
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