そこに
熊倉 舞
作者によるコメント
そこにいるけれど目には見えない、今までの経験から生まれた意識の根底にある『存在』について表現しました。
担当教員によるコメント
白く縁まで塗られた大きさの違うパネルを、レリーフ状にバランスを取りながら繋ぎ止めた幾何学的な画面。それだけで美しい「白い世界」を、抽象表現と決めつけてはいけない。連結したパネルを一つ一つ丁寧に観て行くと、絵肌の中に隠された「かたち」が次々と浮かび上がって来るのがわかる。その途端、胡粉の白地は光を孕み、より重層的空間へと変貌する。更に熊倉が仕掛けたモチーフは、詩的なイメージを醸し出しながら一斉に語り始める。誰もが思い描く日常の一コマに重ね、観る人の記憶をさりげなく呼び覚ます筋立てこそ、この作品最大の魅力に他ならない。加えて色彩を排した「白い世界」。その明るさは、熊倉が生まれ育った徳島の光にもつながっている。
教授・武田 州左
- 作品名そこに
- 作家名熊倉 舞
- 作品情報技法・素材:胡粉、方解末、白土、吉祥麻紙
サイズ:H2607×W2746mm - 学科・専攻・コース
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