それら, それ
大津 圭右
担当教員によるコメント
大津圭右の「それ」と題された大きな立体作品は、スリムなフォルムが浮遊し優雅に踊っているようだ。淡い青色と朱色の細長いフォルムが互いに支え合いギリギリのバランスで自立している。このフォルムは自分自身の抱える漠然とした不安感を架空の動物に置き換えている。ドローイングを繰りかえし純化していくなかでフォルムを見つけ出し立体に表現していく。彼は大学3年から新たな表現を求めて立体作品に取り組み始めた。細長いフォルムは既にその頃から登場していたが、壁に寄りかかるように設置され絵画から派生した痕跡が見られた。また、色彩は真っ白に着彩されシンプルで明快な作品だったが、複雑な感情表現をどうするのか、課題を抱えていた。しかし、試行錯誤の末にフォルムは立体として自立し色彩も繊細な感情表現を獲得して、不安という負の感情を見事に昇華させた。
教授・木嶋 正吾
- 作品名それら, それ
- 作家名大津 圭右
- 作品情報『それら』
素材・技法:ミクストメディア
サイズ:可変
『それ』
素材・技法:ミクストメディア
サイズ:H300×W200×D100cm - 学科・専攻・コース
- カテゴリー