言葉のプラモデル, ー断絶された構成ー
藤澤 空也
担当教員によるコメント
藤澤空也は本作で、話し手と聞き手の間で起こる認識のすれ違いに着目し、言葉の曖昧さに対して問題提起を試みました。藤澤は「言葉」という文字をプラモデルに見立てて解体し、切り離した部品を無作為に積み上げることで、文字から情報伝達の機能が消失する様子を私達に連想させようとしています。本作は、展示方法の工夫によって、鑑賞者の言葉に対する認識を強く揺さぶる力を得ています。また、藤澤が文字を分解し、人間関係や社会の仕組みを再考しようとする考えには、スイスの言語学者であるソシュール(Ferdinand de Saussure, 1857-1913)に通じる賢明な見解を読み取れます。確かな技術と機知に富んだ着眼点で、現代のバーバルコミュニケーションが抱える難事と真摯に向き合った、意欲作です。
非常勤講師・澤田 将哉
- 作品名言葉のプラモデル, ー断絶された構成ー
- 作家名藤澤 空也
- 作品情報技法・素材:鉄
サイズ:H870xW2530xD2420mm - 学科・専攻・コース
- カテゴリー