IGNIGHT
近藤 百子
作者によるコメント
うまく言葉にできない不安を感じることがある。そんな時に私はひとり自然がたくさんある場所に行く。幼い時から親しんできた自然の中に身を置くことで安心する。蛍のほのかな光や流れ星、波の影、見慣れてはいるが今まで残すことができなかった儚い光を捕まえてみようと思った。出会った方法は写真だった。IGNIGHTはignite(点火)とnight(闇)をつなげた造語だ。闇に迷う心を導く微かな光をこの本に寄せる。
担当教員によるコメント
近藤の作品を最初に見たのは約3年前だった。その時すでに、現在の作品の質の高さを予想させる写真の力を感じたことを記憶しています。そして近藤には、このまま自分の欲しいものを欲求のまま撮り続けるよう伝えたと思います。その後、やはり紆余曲折がありましたが、最後まで思いを貫き通したことに僕は感動しました。初めに蛍があり、その微かな淡い幻のような黄青色の光を追いかけ、その光を巡るうちに、夜空の星を見つめ、その下にある水中を想う。そのキラキラした光を見つめるうち、太陽の光を想う。このように近藤の目は、蛍の放つ淡い光から始まり、この宇宙の中の地球という惑星に降り注ぐ光や、それを反射する様々なもの達の光を捉えようとした、大きな作品だと感じています。
教授・上田 義彦
- 作品名IGNIGHT
- 作家名近藤 百子
- 作品情報写真
技法・素材:写真=Photoshop、デジタル出力 / 本=手製本、ハードカバー、クロス貼り、シルクスクリーン、アクリルガッシュ、糸綴じ、マット紙、Illustrator
サイズ:本 H320×W280mm(66頁) - 学科・専攻・コース
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