いつもの朝のいつもの今日
宮園 あさ子
担当教員によるコメント
繰り返し甦る家族の思い出。誰にとっても大切なその記憶を、宮園は一つ一つ丁寧に拾い上げこの作品を描いている。何処にでも見られる朝の食卓風景。そのなにげない情景に寄せる作者の眼差しは温かい。朝日差す台所。その前に立つ母の姿をいつも見ていた自分がここにいる。全てが満たされた穏やかな時間。この安心感は紛れもない、母親の情合そのものだ。暖色の画面を舞台さながら山羊の親子が横切る様は、母が語る童話の世界のようで微笑ましい。今日まで自分を育ててくれた母親に心から感謝しつつ、宮園は、自分が受けた無償の愛のかたちを次の世代へ語り継ごうとしている。
教授・武田 州左
- 作品名いつもの朝のいつもの今日
- 作家名宮園 あさ子
- 作品情報技法・素材:吉祥麻紙、岩絵具、水干絵具
サイズ:H2000×W2400mm - 学科・専攻・コース
- カテゴリー