For All the Young Dudes, 星に扮する二人(4)「焦燥ゆえの瞬き」
石川 貴大
担当教員によるコメント
木材で組まれた仮説壁に、絵が何枚か置かれている。寒々しい青空の下で上半身裸になってみたり、何をするでもなく徘徊したのであろう闇夜の藪や水辺の若い男達の肢体。ぼやっとした笑顔をこちらにむける男の視線からは、彼と彼らとの関係がとても近いことがわかる。その光景と筆跡には、自由を謳歌する若者というよりも、何かやるせなさと切迫感のようなものが漂っている。作品名は「All the Young Dudes」。デヴィット・ボウイが作詞作曲したモット・ザ・フープルの楽曲から取られている。幾つもの時代、それぞれの若者が自分達の表現で世界を作り変えてきたように、石川は自分自身が進行形のユースカルチャーそのものであるという自覚を持って仮設壁に絵を掲げる。その絵は永遠と刹那の間で宙ぶらりんにさせられ、今を生きようとしている。インスタレーションには自分の音楽も組み込む予定だったという。そこに今後どんな人間が集まるのか、どこまで無軌道に広がりを作っていくのか楽しみだ。
准教授・石田 尚志
- 作品名For All the Young Dudes, 星に扮する二人(4)「焦燥ゆえの瞬き」
- 作家名石川 貴大
- 作品情報『 For All the Young Dudes 』
素材・技法:油彩、キャンバス、木材
サイズ:可変
『 星に扮する二人(4)「焦燥ゆえの瞬き」 』
素材・技法:油彩、キャンバス
サイズ:H130.3×W162cm - 学科・専攻・コース
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