やめたい、やめられない、やめたくない、
岸本 奈桜
作者によるコメント
周りの習慣がいつの間にか自分の習慣となっていた。それは、とてもつまらない行為であったため、やめたいと思った。しかし、それと同時に社会の中で上手く生きていく上で非常に大事な行為であったため、やめられなかった。更に、習慣に身を任せて行為を決めることはとても楽で心地が良いため、やめたくないとも思った。この矛盾と葛藤を題材にイラストレーションを制作しました。
担当教員によるコメント
岸本奈桜は「やめたい、やめられない、やめたくない、」というタイトルでイラストレーションボード(H1030×W728mm)に鉛筆とアクリル絵具を駆使し、自分の中で言い表せない、そして言い出せない気持ちを凝視することによって「言葉にしないこと」そのモヤモヤを自分の中に閉じ込めた。さらに自己葛藤という生々しくぞくっとするような、秘密めいた女性の生きる喜びを見出し、女性としての不自由という感覚を持って表現へとチャレンジした。それは自己葛藤するだけの価値のない行為であったため、放棄したいと思ったりしたが、イラストレーションとして見えづらい微妙な色合いを重要視することで、その価値を発見することができた。しかしそこには女性の持っているエロティスムが遺憾無く発揮されている。
教授・秋山 孝
- 作品名やめたい、やめられない、やめたくない、
- 作家名岸本 奈桜
- 作品情報イラストレーション
技法・素材:イラストレーションボード、鉛筆、アクリルガッシュ
サイズ:B1、6枚 - 学科・専攻・コース
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