唐辛子, 鉢の中

野平 有希

担当教員によるコメント

野平さんは実家で見つけた小さなものを主題にして描く。過去に描いたものは木造の壁から染み出た樹液、天井の穴、庭の蟻地獄など。卒業制作では庭で育てた唐辛子と、ほったらかしてある鉢の中の石ころや雑草を描いた。身近の片隅に目をやり、長い時間見続け、細かく丁寧に描き込んで行く。その結果びっしりとつまった密度と深い奥行きが画面に表れる。野平さんにとって描くことは、目立たないささいなものと親密になる行為なのだろう。卒業後は実家で絵を描き続けると言う。これからもさらに凝縮した世界を表現していってほしい。

講師・日野 之彦

  • 作品名
    唐辛子, 鉢の中
  • 作家名
    野平 有希
  • 作品情報
    『 唐辛子 』
    素材・技法:油彩、キャンバス
    サイズ:H130×W162cm

    『 鉢の中 』
    素材・技法:油彩、キャンバス
    サイズ:H162×W130cm
  • 学科・専攻・コース