みんなどこか知らない場所に行ったか、そうでなくてもこれから行く, 全肯定してくれる人がいる家で、スープが煮えるのを待っている
飯島 ひかる
担当教員によるコメント
飯島は家族の記憶をひとつひとつ拾い上げながら、それを絵画に結晶させようと試みる。登場するモチーフは、カーテン、浴槽、窓から見える風景など日常のものたちだが、それらは感情の起伏や思いの強弱によって象徴的な意味を帯びてゆく。たとえば亡くなった祖父の家の浴室は、幾多の文様で覆われ、水面には星が描かれている。これは水を介して祖父の世界につながる通路を表しているのだろうし、カーテンはこちらとあちらを隔てかつ繋ぐものである。現実には取り返しのつかないことも、絵画の世界では自由にできる。ダイナミックに単純化され楽しそうな飯島の絵画は、実はいとおしい日々の断片を愛情によって再構築したものなのである。
教授・菊地 武彦
- 作品名みんなどこか知らない場所に行ったか、そうでなくてもこれから行く, 全肯定してくれる人がいる家で、スープが煮えるのを待っている
- 作家名飯島 ひかる
- 作品情報『 みんなどこか知らない場所に行ったか、そうでなくてもこれから行く』
素材・技法:油彩、キャンバス
サイズ:H194×W461cm
『 全肯定してくれる人がいる家で、スープが煮えるのを待っている』
素材・技法:油彩、キャンバス
サイズ:H112×W145.5cm - 学科・専攻・コース
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