記憶の中の多摩平団地
岡部 卓也
作者によるコメント
コンセプトは記憶を制作することです。この作品は、2000年頃の多摩平団地を再現しようとした作品ですが、制作期間中は2000年当時の写真を航空写真以外一切見ていません。作品の中に出てくる団地の棟や木々、公園の遊具などは昔の記憶を頼りにどんなものだったかを思い出し、それに近いものの写真などを自分の足で収集し、3Dのモデルにしました。記憶でどこまで納得のいく多摩平団地を再現できるかということをテーマにしました。
担当教員によるコメント
子どものころに遊んだ今は取り壊された多摩平団地の公園を、記憶を基に再現した3DCG作品。まず当時の航空写真と地図から団地の配置を確認し、あとは記憶だけを頼りに作っていく。うっそうと茂る欅の木、懐かしい遊具。背景には立ち並ぶ団地の風景……。こうして書くのは簡単だが、記憶をリアルにモデリングしていくことは容易ではない。細部にわたって思い出さなければならないのだ。あるいは具体的に想像しなければならない。岡部は一切の写真資料を使わずに制作を進めた。遊具が揃ってきたころに急に懐かしさを覚え、兄に見せたところ共感を得たという。しかし、完成後に当時の写真を確認したらずいぶん遊具の位置が違っていたそうだ。ここには、記憶と仮想現実、想起の共有など多くの問題が詰まっている。
教授・永原 康史
- 作品名記憶の中の多摩平団地
- 作家名岡部 卓也
- 作品情報インタラクティブコンテンツ
技法・素材:3Dモデリング=Blender、ゲームエンジン=Unity
サイズ:H1080×W1920pixel想定 - 学科・専攻・コース
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