over write
寺本 明志
担当教員によるコメント
寺本明志は、一貫して、自分の体験に基づく記憶、かつて関わりのあった場所、時間の流れなどをテーマとして制作をしてきた。それらの非常に個人的な「想い」が作品に現実味を与え、ネオンサインやプラスチック製品、看板、スーベニアといったポップな要素が、オシャレに浮遊していくことはなく、どこか、お祭りの夜店のような、場末の芝居小屋の書き割りのような、チープな泥臭ささを醸し出す。この微妙なインチキ臭さが寺本作品の本領であり、その記憶は、自分のものなのか、人のものなのか、テレビや雑誌、ネットで見たものなのか、判然としなくなり、遠くなり、近くなり、交錯しながら、どこかの次元を永遠に彷徨う。
教授・吉澤 美香
- 作品名over write
- 作家名寺本 明志
- 作品情報技法・素材:写真、ミクストメディア 寸法:H5000×W5000×D5000mm
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