φύσιςとしての戦い
山本 清響
担当教員によるコメント
タイトルのピュシスは、ギリシャ語で「自然」「芽生え」を意味し、問いかけの契機と捉えているという。山本は、理論家でもあるが、その時々の「気分」「雰囲気」を大切にして制作してきた。一種の「直観」なのかもしれないし、日本古来に伝わる「一期一会」の精神に通ずるものなのかもしれない。様々な表現を試すなか、運動やリズムを呼び起こす有機的な抽象形態にたどり着いた。今回の作品は、集大成にふさわしい充実したものとなっている。3幅対の作品は、3点が補完しあい一対として成立し、異なった時間と表情を見せ、断片的、文節的に見事な表象を見せている。画面には動勢と静止、色彩とモノトーン、喧噪と静寂、混沌と統一、光と闇などのコントラストが見られ、開かれた形式、無限性への希求が感じられる。
教授・木嶋 正吾
- 作品名φύσιςとしての戦い
- 作家名山本 清響
- 作品情報技法・素材:油彩、キャンバス 寸法:H1940×W1303mm(3点)
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