Easy Chair

星野 有美

作者によるコメント

祖父の生活の一部であるクラシック音楽を楽しむイージーチェア。長時間座ることを考え、3つのクッションの硬さや木部の手触りにこだわり座り心地の良い椅子に仕上げた。

担当教員によるコメント

「音楽を楽しむ祖父の椅子」テーマははっきりしている。Easy Chairを作ればいい。しかし、何が必要なのか?どうすれば心地よく音楽を聴いていられるのか?方向性を見極める作業の中でアイディアは思いがけない所にあった。フィンユールのデザインが好きだと言いつつ、椅子のアイディアは音楽の4分休符の形に閃いたと言う。家具工場通いを重ね、ディテールを知り構造を決め、自ら木の加工から取り組んでいる。椅子を特徴付けている4分休符のRの接点の強さと優美さにも配慮が行き届いている。手が触れる部分の木の厚みも身体的な感覚で掴んだものだ。シートの制作も同様である。「もう少し時間があればもっと手を入れたかった」と言う通りやり残し感もある。が、3ヶ月の奮闘は充分誇ってよい成果である。

教授・富樫 克彦