ORG

上村 可織

担当教員によるコメント

4年になった頃から、上村さんの撮る写真がどんどん強く、存在感を増してきた。「私は生命に魅力を感じています」と語る上村さん。被写体として選ばれたのは、化粧を施した顔や、鉱物の断面……それらが上村さんの感覚によって切り取られ構成されていく。そこにはこの世界に存在する様々な関係、相反する矛盾を抱えながらも、その両方が同時にあることで成立する、二つで一つ、対、ということへの強い関心がある。作品タイトルは「ORG」。これはorganizationの略だが組織や構築といった様々な意味が含まれ、これらの作品群は展示することで一層、互いに関係しあい、場とかかわり、変容し、まさに新たな力、生命を獲得していった。作品の強度は同時に上村さん自身の強さとなって。

教授・日高 理恵子