内に在るもの
早川 桃子
担当教員によるコメント
早川は熱い1200度以上の溶けたガラスの中に、冷たい球状のガラスを放り込み、その上にまた熱いガラスをかけた。冷たい球状のガラスは熱い溶けたガラスに包まれ、熱ショックの歪みで爆発するが、溶けたガラスの弾力で全体的には崩壊すること無く、透明な空間の中に球状のヒビの塊が生ずる。それは溶けたガラスの熱でやがて破裂した痕跡のようなものに変わって行く。熱の歪みによる割れ、破裂といった比較的激しい特性、それから生まれる表情はガラスという材料の持つ、究極の現象の一つだといってよい。早川の仕事はその究極の現象の向こうにみえる、自然観を目指しているようだ。
教授・高橋 禎彦
- 作品名内に在るもの
- 作家名早川 桃子
- 作品情報技法・素材:ガラス
寸法:左から H300×W290×D150mm H290×W350×D150mm - 学科・専攻・コース
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