思考の終着点 - 静かな田舎の夜
加藤 未来
作者によるコメント
結論を出さずに議論を一旦終えて、静かな夜を迎える。いろんな生き物が集まっている部屋に私もみんなも入って眠れたら…
誰も傷つかない、誰も追い出されない部屋があれば、そんな解決策があれば良いのに!
もし私たちが必ずしも答えを出さなくても良くなれば、こんな空間が実現するでしょう。
担当教員によるコメント
ベッドの下でまどろむ犬の安らぎが広がっていき室内空間の全体を支配している。夢と現実が混
ざり合い絵の主人公であろう「私(たち)」は巨大な果物のような物(生物?)になり意思を伝
える術を知らないでいる。部屋の外には自動車が走り、泥のような日常がひろがっている。
加藤さんの作品は物を見る視点を自分ではないものにすり替えながら徐々に全体を広げさせてい
くような面白さがある。その入り口に気付いた時初めのものとはまた違う解釈になっていく。描
かれる混沌の心地良さとも言える場所は自由領域であり、いわゆる「無縁の原理」を本人は感覚
的に必要としているのかもしれない。答えのない面白さもあるが万物斉同にも通ずる非常に興味
深い作品である。
教授・加藤 良造
- 作品名思考の終着点 - 静かな田舎の夜
- 作家名加藤 未来
- 素材・技法岩絵具、水干絵具、アクリル絵具、高知麻紙
- サイズ2020×2270mm
- 学科・専攻・コース
- カテゴリー
- 担当教員