エターナル・メモリー

今木 陽菜

作者によるコメント

人が過去に経験した思い出はいつの日か薄れ、やがて記憶の果てに儚く消えてゆく。

しかし私は寧ろ忘れることを強く意識し、形として表現することで、思い出は永遠に繋ぎ止められると考えている。

卒業制作では「茫然と消えゆく幼き頃の記憶」をテーマに、小さい頃に使っていた玩具・象風景をモチーフとし、人の記憶が薄れ消えてゆく様を表現した。

担当教員によるコメント

今木は子供の頃、自身が玩具で遊んでいた微かな記憶を辿ることを通し、その時の感覚を表現することをテーマに、薄れゆく記憶のものたちを再構築することで記憶の感覚を形に止めようとした。昔の写真が色あせていく感じやプラスチックの劣化した玩具の雰囲気を表すために、納得いくまで何度もテストピース作りに取り込んだことが魅力となって伝わってくる作品となった。これまで課題作品で取り組んできた素材への真摯な取り組みの蓄積が、この作品に昇華されたのであろう。今後の作品の展開に期待する。

教授・池本 一三

  • 作品名
    エターナル・メモリー
  • 作家名
    今木 陽菜
  • 素材・技法
    素材=ガラス
    技法=パート・ド・ヴェール
  • サイズ
    H50〜150×W50〜150×D50〜100mm
  • 学科・専攻・コース
  • 担当教員