空想都市KOTA

伊藤 鼓太郎

作者によるコメント

ただひたすらに描いていたい。

小学生の頃から、緻密な空想の街を描き続けている。ツールはシンプルに紙とペン。頭の中にある風景を思いつくままにペンを走らせる。

テーマやコンセプトはない。ただ"人の手"によって生み出される芸術の狂気的な部分を感じて欲しい。

時間の無駄と言ってしまえばそれでおしまいなのだが、無駄なことに時間を使えるのが一番幸せなのかもしれない。

担当教員によるコメント

在学中から着実に絵本作家としての歩みを進めていた伊藤鼓太郎にとって、卒業制作における最大のライバルは自分自身であったと言える。話を聞けば、幼い頃から空想の街を描き続けてきたという。大学4年生となった今この時、同じテーマに全力を注いだらどうなるのか。
天地左右に境を設けずに描き続けられる形式とした本作は、自由な時間に恵まれた大学生が作品制作を存分に楽しんだ結果として存在する。それは卒業してからも続く仕事とは一味違う。観衆だけでなく自分のためにも淡々と創作を続けてきた成果であり、この先も伊藤が空想の世界を広げていく偉才であることの証明である。

准教授・高橋 庸平