Bring to Sky

劉 佳

作者によるコメント

今の自分は、周りの環境や好きなもの、身近にいる人など様々な要因から影響を受けて形作られている。だがそれは一定ではなく、環境も考え方も常に変化してゆくもの。私は今の自分が好きだ。自分の過去の嫌な面、変化した面、これから変わりたいと思う気持ちを凧に乗せ、天まで届けて想いを叶えられるように凧を制作した。これから先も良い方向に変わり続けられることを願って。

担当教員によるコメント

劉佳は一貫して自分自身と向き合いながら、独自性溢れるビジュアル表現を模索し、広げ、確立してきた。本卒業制作は、風になびかれながら、いつまでも留まること無く変化し上昇していく凧に、劉の今後への願いや気持ちを個性的な表現で定着させた作品である。これは劉の意思表示であり、次の環境に向かって飛び立っていく様を表す。
表現・完成度にも大きな飛躍がみられた。対比色で構成された美しい色調、有機的で力強い形態、そして個性的な書で描かれたメッセージ。凧という支持体と素材感が心地よく調和し、この作品が自由に軽やかに空を舞う姿を想像させ、感じさせてくれる。この凧のように、時には環境に身を任せ、時には抗い、自由に美しく空を舞って行ってほしいと願う。

准教授・加藤 勝也