LOOK - 感性をくすぐる、くにゃくにゃディスプレイ

作者によるコメント

ゴム基盤を用いた伸縮可能なディスプレイ（ディフォーマブルディスプレイ）は､優れたハリと柔軟性をもち､映像を自由自在にねじったり､たゆませたりすることができる｡この特性を探究する中で､ディスプレイを曲げることで“平面的な映像が立体的な見え方に変化する体験”を発見し､本ディスプレイの価値として捉えた。そして､この体験が生む好奇心や主体性は､遊びを通じて想像力などの向上を目指す知育という分野で価値が発揮されると考えた。
LOOKは､映像を起点に想像をふくらませ､自分なりの見え方を発見し､自分だけの世界をつくりだす体験を後押しするプロダクト。映像が変わることで想像は限りなく広がる。
本プロダクトをきっかけに自分が見ている世界をありのままに楽しんでほしい。

担当教員によるコメント

NHK放送技術研究所との産学連携作品です。頂いたテーマは、薄く伸びて曲がる三次曲面薄型ディスプレイ技術を如何に視聴者に欲して頂けるか？という難題。本作品にて彼女が着眼したのは、“その画期的技術の本質を端的に見極める事”。今後の高解像度化に加え、シリコン状の柔らかい質感を生かす対象物として“遊び”と“知育”に行き着いた。サイズや微妙な触感差の確認を実素材で繰り返し試作を行った事により、その体験が生み出す主体性や好奇心は計り知れないものとなった。本作品はNHKでの放送コンテンツとの連携等も視野に入れているが、このプロダクトを使ったピタゴラスイッチが見てみたい！今までのディスプレイの常識を覆す、業界に一石を投じる秀作です。

教授・中田 希佳