触って、そろえる SOROBO
谷 和華
作者によるコメント
「ズレ」ている事で実は生まれている「交点」
私たちは「様々な人がいる前提で条件はそれぞれ異なるが、それは決して別の世界にいるのではなく、色々なところに交点が存在する事」に気がつくべきなのではないか。
プロダクトはいつも誰かに合わせようとする。もちろんダメな訳ではない。しかし誰かに優しくするという事は誰かが譲っているのかも知れない。SOROBOは「一緒に楽しめたらそれで良いじゃない」という想いのもと触覚に注目して卓上玩具を制作し、視覚にハンデがある人と私の「一緒に楽しむ」という交点をデザインした。
この考え方が世の中に広まる事で「壁を感じる」という言葉自体が人に向けられる言葉ではなくなるのではないだろうか。
担当教員によるコメント
多様な存在を認め合うということは、ただ関わらないことでもなければ我慢や不満を抱きながら誰かに譲ることでもない。多様性に対応するための一般的な方法への疑問と、多様な私たちの自然な関わりとは実際にどういうことなのかを確かめたいという強い意思が、長期に渡る地道なリサーチと試行錯誤を必要とする卒業研究を支えた。我慢強く探したどり着いた「交点」は他者との関わりではじめて生まれる概念である。単に共通する感覚を指すのではない。この作品ではゲームに参加した人それぞれが自分の自然な感覚で「楽しい」と感じている状態自体を「交点」と表したことが重要である。多様な人々の関係性について、新たな視点に導く概念を発見したことと細部に渡る矛盾のないデザインを高く評価した。
教授・大橋 由三子
作品動画
- 作品名触って、そろえる SOROBO
- 作家名谷 和華
- 素材・技法素材(レール)=パイン集成材
素材(球)=ぬいぐるみ用毛糸、アクリル、砂、チッピング塗装、シリコン、木
技法=CNC加工 - サイズレール=H50×W700×D700mm
球=φ30mm - ジャンル玩具
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