なんもしない服

長本 かんな

作者によるコメント

「あーなんもしたくない」
毎日することいっぱいで疲れちゃうから。なんもしない服はダラダラするための服です。

しないといけないことから離れて、ダラダラする時間こそ心身の癒しになっているのではないだろうか。そんな時間を後押しする、なんもしないことを許す服である。
なんもしない服は、全く何もしない行動が制限される形と、なんもしない中で何かするための切り替えができる形になっている。
「なんもしない」時間は、ひたすらぼーっとすることもあれば、スマホを見たり、お菓子をつまんだり、人と話したり、本を読んだり、人それぞれ。様々な「なんもしない」に寄り添えるように3タイプのなんもしない服を制作した。

担当教員によるコメント

衣服は人の感情と行動に影響を与える。スポーツウエアを着れば気合いが入り活動的になる。スーツやドレスをまとえば緊張し背筋が伸びる。この服と人の関係を利用し、心身に安らぎを与える服をデザインしている点に当研究の独自性がある。「ずるずる」「ふかふか」「くしゅくしゅ」と命名された3種類の服は、できることを制限することで身体が休まるよう考えられているが、肌触りのよい純白の生地を贅沢に使っているおかげで、豊かな心地よさや安心感も与えてくれる。長本さんが試作と試着を繰り返しデザインした「なんもしない服」は、赤ちゃんを包む「おくるみ」に似ているかもしれない。赤ちゃんがおくるみの中で安らぎエネルギーを蓄えているような時間を過ごせるデザインと言えよう。

教授・安次富 隆

作品動画

1分29秒