風波
長谷川 陽
作者によるコメント
私がかたち作るのではなく、自然によって作られる風の形
風は普段見えないが、見て、触れることでたしかにそこにあるとわかる
自然の予測不可能な動きによって、想像を超えた美しさが生まれる
形のない「現象」である風を具象化したこの作品は、有無を言わさず人々と繋がり人と空間を媒介し作品の世界観に没入させる。
私は風が”自然の風”であることにこだわったが、それは自然の不規則で予測不可能な動きによって人々が本来持っている感性と共鳴し、鑑賞者に強い印象を与えることを目指したためである。
普段はないものとして通り過ぎてしまう風を可視化することによって風に触れ、触れられる感覚を共有することができ、感動を共有した人々のコミュニケーションを誘発し空間に一体感が生まれる。
担当教員によるコメント
風を視覚化したインスタレーション。
長谷川の大学4年間の記憶と強く結びついた素材と場所が選ばれている。多摩美術大学八王子キャンパス・デザイン棟5階の外部テラスを、非常に細長くカットされたトレーシングペーパーが覆っている。遠くに丹沢山系や富士山を望み普段は学生たちの息抜きの場であるテラスが、繊細かつダイナミックな作品によって異化された。視界いっぱいに広がる揺らめきが空と溶け合い、擦れあうトレーシングペーパー独特の音色が静かに響き、その場を立ち去り難い体験を生んだ。
准教授・橋本 潤
作品動画
- 作品名風波
- 作家名長谷川 陽
- 素材・技法素材=トレーシングペーパー、ビニール紐
- サイズH3500×W12300×D2000mm
- ジャンルインスタレーション
- 学科・専攻・コース
- カテゴリー
- 担当教員