2000年代における女性の「美しさ」の提唱変遷 『VOGUE US』と『VOGUE JAPAN』を比較して
加藤 理子
作者によるコメント
本研究では、今まで女性の「美しさ」を指南してきたファッション雑誌が、2000年代においてどのような変遷を遂げているか考察した。具体的には、世界28カ国に展開するファッション雑誌『VOGUE』のアメリカ版と日本版を資料として取り上げた。見出しやカバーモデル(表紙に起用されたモデル)を中心に比較することで、時代さらに国間に見られる違いを導き、「美しさ」の詳細な特徴を明らかにした。
担当教員によるコメント
女性美についての考え方が、近年、問われている。女性はすらりと痩せて肌が白い方が美しいのか。過剰なダイエットが社会問題になるなか、ファッション業界はルッキズムや人種問題とどのようにかかわってきたのか。加藤理子さんは、業界を牽引する『VOGUE』という雑誌メディアのアメリカ版と日本版を一次史料とし、表紙に登用される人物の属性やキャッチコピーを分析し、その変遷を捉えた。ファッション雑誌の歴史を追い『VOGUE』誌の位置づけを探るため、和文献に頼らず英語文献も多く参照したことも評価できるが、やはり一次史料を自ら集め、分析方法を模索し、データを解析したうえで自らの結論を導きだした点で、二次文献に頼りがちな卒論が多いなか、ずば抜けてすばらしい。
教授・金沢 百枝
- 作品名2000年代における女性の「美しさ」の提唱変遷 『VOGUE US』と『VOGUE JAPAN』を比較して
- 作家名加藤 理子
- 学科・専攻・コース
- カテゴリー
- 担当教員