日本の広告におけるキャラクターの役割

吉野 夏菜

作者によるコメント

本研究では日本の広告におけるキャラクターの役割について論じた。日本の広告の発展と、現代の日本の広告においてキャラクターが活用された事例について述べた上で、広告の中でキャラクターがどのような力を発揮し、効果をもたらしているのかという点を、企業や団体など広告にキャラクターを起用する立場の視点で論じた。そして、先行研究では扱われていなかった、広告の効果を高めるキャラクターデザインについて考察した。

担当教員によるコメント

正直なところ、「ゆるキャラ」について卒業論文を書きたいときいたときは、どのような論文になるか見当がつかなかった。しかし、彼女は持ち前の粘り強さと鋭さを発揮して、「キャラクター」なるものが日本の広告業界においてどのように表れ、どのような効用をもつのか、その歴史を江戸時代から遡って分析した。江戸時代にも、ペコちゃんのように店先に看板商品の立体物が置かれた例があったこと。文明開化後、欧米文化に影響を受けたロゴマークが表れたこと。テレビ番組とキャラクターのタイアップ、「くまモン」や「ひこにゃん」などご当地キャラの実態などその内容は多岐に渡る。努力の結晶のような労作である。

教授・金沢 百枝