Objects are connected
東山 真子
作品解説
映像を鑑賞しているとき、ディスプレイの中の作品と自分との間に境界を感じました。その境界を少しでもなくしたいという想いから、制作した作品です。映像とオブジェクトのつながりかたを探してきました。
作者によるコメント
この度は、2023年度統合デザイン学科卒業制作展においてTOP22に選ばれたこととても嬉しく思います。
オブジェクトの像と映像を重ねることで、平面の映像に奥行き感を与えているところに注目して見てもらえると幸いです。
担当教員によるコメント
東山は、ガラスの板の前後にディスプレイとオブジェクトを設置し、ディスプレイの発する光とオブジェクトの反射光をガラス板に映り込ませることによって、二つの図像を合成する映像体験をつくり出した。これは、本来メディアの中に留まっている(と私たちが思い込んでいる)映像を、ディスプレイの持つ光を発する性質を利用することで外に実体化させる試みでもある。
ここで起きている視覚体験の如実さは、単なる像の掛け合わせではない、光同士のインタラクションを生むような関わり合い方を東山が精緻に突き詰めていった結果獲得したものであり、膨大な試行錯誤の集積によるこの達成は、本当に素晴らしい。
何か新しいものを生み出そうとするときに近道などはなく、ただ淡々と日々試し考え続けるしかない。多くの人はそれを理解していながらも、何らかの理由をつけては実行しないということが多いわけだが、東山をそれを軽やかに1年間実行してみせたところに、本人の強靭な制作への意志が現れていたと思う。この意志は今後も自分を支えてくれるはずなので、愚直に作り続けてほしい。
准教授・菅 俊一
作品動画
- 作品名Objects are connected
- 作家名東山 真子
- 素材・技法モニター、メディアプレイヤー、ガラス、ターンテーブル、モーター、Arduino、レジン、木材、縄
- サイズH1420×W500×D1000mm
- ジャンル映像
- 学科・専攻・コース
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- 担当教員