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開催概要



展覧会によせて




TAMA VIVANT Ⅱ 2014 ロゴ


 「非日常」を日常の中で見出しにくくなった世界が今と言えるのではないでしょうか。ニュース番組などで、様々な出来事や事故、事件が報道されますが、特定の人にとっては非日常の出来事でも、享受する側の私たちにとっては日常でしかありません。それは無関心とは別の、どこか劇場の観客席に座ってそれらを俯瞰しているような感覚にも似ています。


 「非日常」の出来事はその本質を汲み取られることなく、過去の出来事との外面的な特徴の類似によって既存のフレームに当てはめられ、私たちの認識という網目をあっさりとすり抜けていきます。それは、ちょうど「いつもの出来事」として様々な問題が安易に処理されている状況を表しています。既存のフレームに新たな問題を当てはめて処理する事を繰り返すと、私たち自身や社会のシステムは現実への適応力を次第に失い脆弱となり、思わぬ深刻な事態を招くことになります。


 このような私たちの問題は、今日の美術の状況からも見受けられます。現在の日本における美術への関心の重点は、同時代の新しい動向を探るよりも、価値や解釈の定められた一時代前の作品を鑑賞する事にあります。それは、同時代の美術展とクラシカルな展覧会の集客力を比較すると明白な事実です。解釈のフレームが用意された美術作品を鑑賞したい、という見る側の欲求と特徴が表れています。


 そのような世の中に対して、私たちは「TAMA VIVANT Ⅱ 2014―美術・日常のレゾナンス―」と題した、一つの展覧会を企画しました。出品される作品に用いられる素材やモチーフからは、日常の断片を見出すことができます。普段見慣れたものが美術作品として目の前に現れたとき、知っていたはずの「日常」が変容し、そこから「非日常」を見て知る、そして考える事ができるのではないでしょうか。


 石村まなみ・内田有・高見澤優海・服部憲明・平野早依子・福重美幸子・松井圭太郎・松延総司の八名の作品を鑑賞することを通して、本展覧会が「日常」を捉え直し、現代社会や今日の美術に思案をめぐらすきっかけになれば幸いです。


 最後になりましたが、本展覧会ならびに関連講座「あそびじゅつ」開催にあたり、貴重な作品や資料を快くご出品、ご提供いただきました美術家をはじめ、ご支援、ご協賛をいただきました多くの方々に心より御礼申し上げます。


TAMA VIVANT Ⅱ 2014 企画室








開催概要



名 称

TAMA VIVANT II 2014—美術・日常のレゾナンス—


会 場

《多摩美術大学展》

2014年9月25日(木)~10月4日(土)

9:00~19:00 (日曜、最終日は17:00閉場)

多摩美術大学八王子キャンパス

絵画東棟ギャラリー

情報デザイン棟・芸術学棟ギャラリー


《パルテノン多摩展》

2014年11月10日(月)~11月22日(土)

10:00~18:00(最終日は17:00閉場)

休館日 11月18日(火)・19日(水)

多摩市立複合文化施設(パルテノン多摩) 特別展示室


※いずれも入場無料


監 督

海老塚耕一(本学美術学部芸術学科教授・美術家)


主 催

多摩美術大学美術学部芸術学科 TAMA VIVANT Ⅱ 2014企画室


提 携

公益財団法人多摩市文化振興財団


協 賛

株式会社 アーバネット コーポレーション


松田油絵具株式会社


協 力

株式会社ハシモトコーポレーション


多摩美術大学生涯学習センター


FOGHORN


後 援

多摩市

多摩市教育委員会




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