C&R・イームズ共作のローチェア「LWC」
Charles Eames/Ray Eames
1946
042 1936年から1940年まで、ミシガン州クランブルック・アカデミーで研究・教育に従事したチャールズイームズ(1907〜78)は、同校校長の息子E・サーリネンと共同製作を行った。1940年、2人のデザインした椅子はニューヨーク近代美市飼主催の「オーガニックデザイン」のコンペで受賞して、にわかに注目を集めるようになる。クランブルック校の教え子レイ・カイザー(1912〜88)と結婚したイームズは、カリフォルニアに居を構える。40年代に入って、イームズ夫妻は危険を伴う合板曲げ作業用の機械「キャザム」を開発した。初期の合板椅子作品はこの装置を使って製作された。イームズ夫妻の装置は大量生産には向かなかったが、これまで不可能だった合板による立体造形加工を可能にした。イームズ夫妻は、1930年代後半までカリフォルニアでワンピースーシェル加工の実現を目指していたが、鋭角に曲げる工程でどうしても合板が割れてしまうため、この方向性に見切りをつけ、背もたれと座部を分離したデザインを考え出した。2人は1945年に、折り曲げ合板を脚部に用いた、ダイニング用のローチェア「ポテトチップ」を完成させ、これを大量生産していく。「LWC」は「Low Wood Chair」の頭文字から取られた。曲線で構成された背部・座部と脚部との間に入れられた円形のゴムがクッションとなり、座り心地がよい。


【素材】黒く染色した合板、ゴム、金属部品。写真は1946年の作品。

100 DESIGNS 100 YEARS
20世紀を創ったモノたち
メル・バイヤーズ/アーレット・B・デスボンド
森屋 利夫/成澤 恒人
2000.05.05
株式会社アクシス