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P・フラーのジュークボックス「1015」
Paul Fuller
1947 |
ドイツ、ザクセンの楽器職人の家に生まれたルドルフ・ワーリッツァー(1829〜)は、24歳のときにアメリカ、オハイオ州シンシナティに移住し、1856年、ルドルフ・ワーリッツァー社を設立した。設立当初はドイツの実家から楽器を輸入していたが、やがて自身で楽器製作を始める。1880年、最初のピアノが完成し、1896年にはコイン投入式の電動ピアノ「トノフォン」の開発に成功する。サイレント時代に人気の出たオルガン「マイティ・ワーリッツァー」は、1911年以降ニューヨーク州で映画館、劇場用に製作され、イギリス移民ロバート・ホープ=ジョーンズがボディをデザインした。ワーリッツァーの映画用自動サウンドトラックシステムは、1933年に生産を開始したジュークボックス同様、革新的な製品だった。もし第1号機「デビュタント」に窓がついていなければ、知らない人は当時人気のあったクイーン1アン様式やネオ1ルネサンス様式の大型家具と間違えたかもしれない。しかし、このジュークボックスが家庭に持ち込まれることはなかった。1939年の戦争勃発により生産が一時停止する頃には、ジュークボックスは木部にプラスチックを使った角の丸い流線形のデザインが主流となっていた。しかし、1946年から1947年にワーリッツァーの技師ポール・フラーがデザインした傑作「モデル1015」は外観が特に派手で、後のジュークボックスの原形となった。「モデル1015」は、機械が動き出すと、紅色の光が踊り始めるところが画期的で、これまでに56,000台以上が生産され、レプリカは現在も作り続けられている、
【素材】木材、合板、金属部品、プラスチック、ガラス。写真はレプリカ。
100 DESIGNS 100 YEARS
20世紀を創ったモノたち
メル・バイヤーズ/アーレット・B・デスボンド
森屋 利夫/成澤 恒人
2000.05.05
株式会社アクシス |
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