C&R・イームズと共同製作者によるアームチェア「DAX」
Charles Eames/Ray Eames etc.
1948
042 1948年に「低価格家具デザイン国際コンペ」を主催したニューヨーク近代美術館は、製造メーカーと緊密に連携をとりながら、新テクノロジーを用いた家具を製作できるように、入賞した者に対し賞金を授与した。チャールズ・イームズ(1907〜78)もそうしたデザイナーの1人であった。イームズと妻のレイ(1912〜88)、スタッフは、ロサンゼルスのカリフォルニア大学工学部と共同製作を行った。このチームが目指したのは、1940年、ニューヨーク近代美術館主催の「オーガニックデザイン」のコンペで受賞したサーリネン・イームズのデザインのような、最少パーツで大量生産が可能な椅子を作ることだった。彼らは、合板よりも安価なスチールを使い、冷たい鉄の表面にはネオプレーンという合成ゴムを吹き付けた。この椅子は、コンペで2位を受賞したが、押し型は、車のフェンダー用のものと同様、厚みのある重い椅子を3、4脚作ると金属疲労をおこしてしまった。彼らがこのシェル形「DAX」チェアを作ることができたのは、ハーマン・ミラー・ファニチャー社が、カラーワァイバーグラスの立体成型技術を完成させた1950年に入ってからであった。写真の製品の脚部には、「エッフェル塔」というニックネームがつけられている。「DAX」シリーズにはこの他、様々な脚のオプションが用意されている。

【素材】グラスファイバー、金属製ワイヤー、ゴム

100 DESIGNS 100 YEARS
20世紀を創ったモノたち
メル・バイヤーズ/アーレット・B・デスボンド
森屋 利夫/成澤 恒人
2000.05.05
株式会社アクシス