A・メダとP・リザット共作のランプ「ティタニア」
Alberto Meda/Paolo Rizzatto
1989
042  アルベルト・メダ(1945〜)は、産業界で技術者としてキャリアを積んだ後、プラスチック製品を扱うカルテル社(p.142参照)に勤務し、1973年ポリウレタン利用法の研究を始めた。パオロ・リザット(1941〜)は1965年まで建築学を学び、アルテルーチェ社の照明器具、ブズネッリ社とモルテッニ社の家具をデザインする一方、建築家としても活躍していた。自分のデザインスタジオを持っていたメダとリザットは、照明器具を含む様々なプロジェクトを共同で手がけるようになる。  1984年には、ミラノのルーチェプラン社内けにテーブル・ランプ「ベレニーチェ」、間接照明器具「ティタニア(シェイクスピア作『真夏の夜の夢』の妖精の国の女王の名)」をデザインした。「ティタニア」は近くから覗き込んでも、24枚のブレードが蛍光灯の眩しさから目を守る仕組みになっている。半透明のポリカーボネート製のブレードセットか、あるいは紫、黄、青、赤、緑のフィルターセットが各ランプに付属されており、ユーザーが好きなように色を組み合わせられる。本体はアルミ無垢か黒い酸化皮膜アルミ仕上げ。天井据付タイプは、ランプを2本の極細ナイロン撚糸で吊り下げる。その撚糸は天井ブラケットに通してあり、吊す撚糸の長さは、糸の終点に付けられた成型アルミの重りで調整し、照明器具の角度を変えることができる。 デザイナーによれば「ティタニア」は技術的革新と妖精の雰囲気を具現化した以上に大きな意味を持っているという。


【素材】 打ち抜き・成型アルミニウム、ポケカーボネート、ナイロン

100 DESIGNS 100 YEARS
20世紀を創ったモノたち
メル・バイヤーズ/アーレット・B・デスボンド
森屋 利夫/成澤 恒人
2000.05.05
株式会社アクシス