多摩美術大学文様データベース&アーカイヴス 特設ページ

モンゴル文様プロジェクト

このプロジェクトについて

私たちは、文様という人が創造したヴィジュアルイメージを、文化の諸相や芸術を知るための資源として読み解き、アート&デザイン教育に活用しています。多摩美術大学第2代学長の石田英一郎(1903-1968)は「文様をして人間の創造の歴史を語らしめよ」という言葉を遺し、その後文様研究所が設立されました。私たちは「広く創造に関する諸問題を文様と研究を通して究明し、美術界に資することを目的」とした文様研究所の精神を受け継ぎ、22世紀に向けた新たな文様デザインアーカイヴを創造しています。本プロジェクトは第59回三島海雲記念財団学術研究奨励金(人文科学部門共同研究)「モンゴル装飾文様アーカイヴの創造−北方モンゴロイドから縄文・アイヌ文様へ」により実施しました。2022年の夏、自然・美術・宗教・音楽・建築・服飾など各自の研究領域からアプローチした現地調査を行いました。またモンゴルの装飾文様と北方民族の文化や縄文・アイヌの文様との関連性についても考察し文様デザインアーカイヴを形成しました。

調査課程記録

2021年度
2021年7月7日、公益財団法人三島海雲記念財団より第59回学術研究奨励金(人文科学部門共同研究)贈呈され研究プロジェクトが開始されました。しかしながらコロナ禍での渡航制限のため、調査活動は国内に限られました。2021年10月には新潟県の縄文遺跡群および博物館で縄文文様の調査、11月には北海道でアイヌ文様の調査を行い、アイヌ刺繍家の川上裕子氏へのインタビュー撮影を行い、モンゴル装飾文様シリーズの第一弾となる映像《アイヌと北方モンゴロイド》を製作発表しました。2022年2月には兵庫県豊岡市の日本・モンゴル民族博物館で調査を行いました。モンゴルのシンボリックな文様「ウルジーへー」を基に文様生成アプリケーション《ウルジーヘー2022》を制作しました。コロナ禍での渡航制限でモンゴルでの現地調査が実現できなかったため、本研究は1年延長となり2023年6月末まで期間を延長していただきました。

2022年度
コロナ禍での渡航制限が緩和された2022年7月 モンゴル国ウランバートル周辺、ハラホリン周辺での文様調査を実施しました。 約一週間にわたる調査ではウランバートル市内の博物館・寺院建築を中心に文様を収集し、スタジアムで開催されたナーダムの祭典を取材しました。約360km離れたハラホリン(カラコルム)では、遺跡や寺院建築、ナーダムの祭典と草競馬などを取材しました。海外調査での研究成果は、2022年11月26日に多摩美術大学TUB(六本木)で開催した報告会で発表しました。定員制限のある中20名の皆様にご来館いただきました。

2023年度
研究成果報告展「モンゴル 文様の帝国」を多摩美術大学アートテーク(八王子)で2023年6月7日から14日まで開催しました。映像3作品、モンゴル装飾文様をテーマにした《モンゴル 文様の帝国》、縄文文様をテーマにした《メアンダー文様、起源への旅》、アイヌ文様をテーマにした《アイヌと北方モンゴロイド》を中心に研究メンバーの成果を公開しました。2023年6月9日にはトークセッション&ライヴパフォーマンスを開催し、成果報告をしました。また《モンゴル文様デザインアーカイヴ》をWebサイト公開しました。

活動歴

2023.06.09 研究成果報告展「モンゴル 文様の帝国」でトークセッション&ライヴパフォーマンスを開催
2023.06.07〜14  モンゴル装飾文様シリーズ映像《モンゴル 文様の帝国》を上映
2023.06.07〜14 モンゴル装飾文様シリーズ映像《メアンダー文様、起源への旅》を上映
2023.06.07〜14 モンゴル装飾文様シリーズ映像《アイヌと北方モンゴロイド》を上映
2023.06.07〜 《モンゴル文様デザインアーカイヴ》をWebサイト公開
2023.06.07〜14 研究成果報告展「モンゴル 文様の帝国」を多摩美術大学アートテーク(八王子)で開催
2022.11.26 研究経過報告会を多摩美術大学TUB(六本木)で開催
2022.07.06〜13 モンゴル国ウランバートル周辺、ハラホリン周辺での文様調査を実施
2022.03.01〜 文様生成アプリケーション《ウルジーヘー2022》を発表
2022.03.31 モンゴル装飾文様シリーズ映像《アイヌと北方モンゴロイド》を上映
2022.02.06〜 日本・モンゴル民族博物館(豊岡市)で調査
2021.11.26〜 北海道でアイヌ文様の調査
2021.10.28〜 新潟県の縄文遺跡群および博物館で縄文文様の調査
2021.07.07 公益財団法人三島海雲記念財団より第59回学術研究奨励金(人文科学部門共同研究)贈呈